
現場の実践知を、価値創造のインフラへ。
Collective Wisdom(CW)は、現場で培われてきた 実践知(Practical Wisdom) を透明化し、共有し、循環させる、知の循環プラットフォーム です。
実践知とは、熟練者・専門家が状況に応じて判断し、使いこなし、問題を解決してきた「運用の叡智」 のこと。しかし多くは言語化されず、個人の経験の中に潜在し、継承が困難でした。
CWは、この実践知を 東京大学・梅田研究室が推進する「デジタル・トリプレット」活動におけるナレッジ記述スキームPD3 で記述し、実践知を3層構造(実践知共有層、実践知(ナビ)インタラクション層、CPS(オペレーション)層)に再構築します。ヒトの知でデータから価値を生み出し、業務・組織・産業を横断して活用できる形に変換、 それを使いながら3つの層がリンクし、知・ヒト・組織の成長を促すプラットフォームなのです。
なぜ今、実践知が重要なのか
日本の現場では次のような課題が深刻化しています。
- DXが形骸化し、業務改革が進まない
- 人材不足
- データ化されていない日本型産業の強み
- 熟練者の知識・経験が属人化し、消滅の危機
- AIだけでは扱えない“現場の文脈”
これらの根本原因は、「実践知が見えない・共有できない」 ことにあります。
CWは、実践知を“見える化”し、業務で直面する課題に対して専門家の実践知でナビゲーション、集積された実践知との対話を通じて生まれる気づきから、ヒトの成長と実践知の更なる集積・循環を促す仕組み、言わば実践知の循環を通してヒトと組織の成長を促す、 ヒト中心の仕組みです。

例えば、業務の遂行で問題に直面した時、「実際に起きていることを観察する、過去の記録を調べる、専門家・熟練者にきく、打ち手を実施する、結果を観測する、一連を自分のメモや端末に記録する」のような作業を行っています。CWは、「一連の作業をナビゲートし、ヒトとCWが会話、実施した打ち手と結果・気づきをデータとしてCWへ取り込む、のサイクルを実現、共有化」します。 使えば使うほど共有・循環を通じてヒトと組織の成長へ導きます。

実践知をどう透明化するのか(PD3)
CWは、東京大学・梅田研究室が推進するデジタル・トリプレット(D3)活動における知識記述スキーム「PD3(Process Modeling Language for D3)」を採用しています。
PD3では、熟練者が行っている個々の
- 情報取得・状況把握
- 判断
- アクション
を1つ1つのアクションの連鎖として、このプロセスを階層的に記述する方法です。
これにより、「専門家の魔法」だった判断・アクションのプロセスが、透明で再利用可能な知識へと変わります。

CWのナレッジフレーム
CWは、実践知を循環させるために実践知共有/実践知インタラクション/オペレーションの3層構造で設計されています。
- 実践知共有レイヤ:ナレッジプラットフォーム、思想・価値観・判断原理
- 実践知インタラクション(ナビ)レイヤ:PD3で記述された実践知による業務遂行のナビゲーション、生成AIも利用
- CPS(オペレーション)レイヤ:現場データ、フィジカルAI
この3層が連動することで、ヒトの判断 × データ × AI が一体化した業務遂行が可能になります。
また、軽量・低コストで導入し易い構造です。
CWプラットフォーム(CW-PFM)
CW-PFMは、専門知識と現場実体をシームレスにつなぎ、実践知を活用して業務をナビゲートし、業務の遂行を通じて気づきを反映して、ヒトと実践知がともに成長する仕組みです。
- 実践知に基づく問題対応ナビゲーション
- 現場データとの連携
- 実践知の成長・循環
- ヒトの能力拡張(気づき・発想の誘発)
単なるマニュアルではなく、“実践知と対話しながら業務を進める” 新しい業務基盤、事業の強みを担ってきた属人化している専門家の実践知、経験知に注目して、これを共有、循環させるプラットフォームです。
AI時代におけるCWの位置づけ(ヒトとAIの共進化)
生成AIやフィジカルAIは強力ですが、その透明性や説明責任には課題があります。また、例外やデータ不十分な状況における現場の文脈に応じた判断や行動の知はカバーできません。
CWは、実務におけるコアである実践知を重視し、
- 方法論(Method)
- 実践知(Practical Engineering Knowledge)
- 現場状態(Physical State)
をつなぐ 橋渡し(Bridging) の役割を担い、判断の理由や前提条件を追跡可能にし、責任あるAIとして位置づけできます。
AI時代において、ヒトの実践知をどう扱うかが競争力の源泉になると考えています。
CWがもたらす価値
属人化していた判断や経験知を、組織や領域を越えて活用できる状態へ。
- 実践知の継承と民主化
- 判断・実践プロセスの共有
- 新人育成の効率向上
- トラブル・事故の予防
- 組織間連携の強化
- 産業全体の知の基盤形成
- 使えば使うほど成長する、ヒトとAIの共進化
CWは、現場の知を“社会の力”へと変える仕組みです。また、軽量・低コストで導入し易い仕組みです。
実践知の循環モデル(成長・熟成の仕組み)
CWでは、実践知が
- 記述され
- 使われ
- 気づきが生まれ
- さらに成長する
という循環が(Creative Evolution of Wisdom)起こります。
これにより、ヒト・組織・社会が熟成していく“知のエコシステム”が形成されます。
適用領域
CWは多様な領域での活用が期待されます。
- 製造(OEE、保全、カイゼン、設計)
- 建設・インフラ
- 医療・介護
- 行政・公共
- サービス
- 企業内横断(PJ管理・新規事業)
などこれら様々な領域のナレッジの収集と活用を目指しています。
インテレストグループへの参加
日本の「運用の叡智」を、次の社会基盤へ
専門家の意思決定プロセスや判断基準、言わば実践知を記述化し、知の共創と社会実装を進めるための有識者ネットワークにご参加いただける方を募集します。
イベント情報
【2026年4月14日(火)13:00〜17:30開催】ものづくりの知識を「記述し、共有し、進化させる」Digital Tripletの最前線を議論する特別シンポジウム
人の持つ知識やノウハウをいかに形式知化し、再利用可能な資産へと変換するか。
Digital Triplet(D3)は、従来のデジタルツインを拡張し、「人の知識」そのものをデジタル空間に統合するためのフレームワークです。
本シンポジウムでは、D3の理論的背景、実装事例、そして今後の社会実装に向けた課題を多角的に議論します。
研究者、実務家、企業担当者が一堂に会し、知識循環型社会の実現に向けた具体的なアクションを共有します。
